ここで、会社で事務作業をしているカレンと、コンピューター技師のティモシーの話をしていきます。
この二人が女性心理学者の元へやってきたとき、性生活について話をしてきたのです。
カレンは、お互いの相性がどうにも合わないのだと言ってきました。
「ティモシーの前戯がいいかげんな気がして、それだけで気分がしらけてしまうんです」
これに対して、ティモシーは彼女を満足させる努力をしていると言いました。
「僕は急かそうと考えてない。何でそんな風に思ってしまうのか理解できないよ」と言ったのです。
女性心理学博士は、二人の意見を聞きながら次のように感じていました。
魅惑的な時間でなくとも、お互いの体を求めるだけでいい了承ができてないのではということです。
そこで、夫のティモシーにこう尋ねてみました。
「ねぇティモシー、心から本気になってカレンが欲しくなった時を思い出せるかしら?」
「はい」と、ティモシーは答えました。
・「先週、二人で一緒に行ったパーティーから帰宅してきたときです」
・「そのときのことを話してもらえるかしら」
・「一緒に寝室へ行って、僕はカレンを抱く気でいました。」
「カレンを抱きしめると彼女も抱きしめ返してくれて、その後シャワーを浴びに行ったんです」
・「ティモシー、あなたはカレンにえっちをしたいと言ったのですか?」
すると彼は言葉には表さなかったと言いました。
「彼女に負担を掛けたくなかったんだ。カレンが魅力的なえっちを好きなのをよく知っています」
「だから、カレンがベッドに入るまで待ってから愛しあったんです」
・「ええ、その日のことは私もよく覚えているわ」カレンが言いました。
「あの時のあなたは優しくなかった。ただ、私に興奮してもらう為の機械のようだったわ」
「ティモシーもカレンと同じ感じがしたの?」女性心理学博士が聞きました。
・「その時は少しだけそう感じていたよ。思い返してみるとゆったり楽しむ余裕は無かった」
「ただただ興奮していていつもと違うことをしてみようと、ただそれだけだったんです」
「でもそう感じることがよくない気がしていたんじゃないかって思います」
「彼女は恋愛小説のような雰囲気を僕に期待するけれど、いつもそうできる訳ではないんだ」
女性心理学博士はカレンにただえっちをする事をどんな風に思うか聞いてみました。
するとカレンは考えたこともない、と答えました。
・「体を求めるだけだなんて…そんな事をしたら彼に愛されていないのかって不安になるもの」
「ティモシー、あながえっちをしたい時カレンの事をどんな風に思ってるのか教えて」
女性心理学博士が言うと、それはとても簡単なことなんだと彼は答えました。
「ただ身も心も彼女によって満たされたいんだ。それは君を愛しているからこそなんだよ」
カレンのように、女性は男性がえっちを求める理由を愛情が無いとか利用してると考えがちです。
しかし、真実というのはそういったものとはまるで逆なのです。
男性が女性に対しての愛情が大きいからこそ、その女性のことを求めたくてたまらなくなるのです。
カレンとティモシーの二人も、早速実験をしてみることになりました。
彼がゆっくり愛したいと思わないときはカレンに伝えるようにしていきました。
そしてもし彼女が同意すれば素敵なえっちをするようにしたのです。
彼が彼女の望むままにしていたので、時々彼の望むままにするのもいいと言う事に同意しました。
やがて二人に再会した女性心理学博士は、彼らの変化にいち早く気付いたのだそうです。
それまでよりもとても仲が良くなって、気持ち的にも落ち着いている感じだったのです。
・「実の所、私自身が彼の気分に合わせるというアドバイスは気に入っていませんでした」
「頭の中では私の意見を押し付けてきたんだし自分できちんと努力しなきゃ、とわかっていました」
「だから、こんなにもうまくいくなんてこと本当に信じられないの」
「ある夜、彼が私の体に触れて求めてきたの。不安な気持ちがあったけれどそれに応じたわ」
「悩むのを止めるうちにすこしずつその気になってきたのだけど、本当は彼が気を使っていたの」
「長い時間を使わなくても不安にはならず、愛されているっていう実感がわいたんです」
・「とてもよかったんだ。2,3日経った頃僕は多くの時間を取って彼女を興奮させたんだ」
「以前よりも楽しめたし、彼女の考え通りにしても腹が立つこともありませんでした」
「えっちだけを楽しむ事ができると理解できたから他の事で愛しあうという事もきつくないんです」