ラベリングの技術

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ラベリングの技術
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心理学で、人は自分に貼られたラベルに沿った行動をするといわれています。

ラベリング理論とは、レッテルを貼るという行為のことで、たとえばちょっとした行為がもとで、あるいは誤解などで、「不良」とか「ダメ人間」だとかのレッテルを貼られた青少年などが、周りからそのように呼ばれることによって、セルフイメージも「不良」や「ダメ人間」になっていってしまい、そのような行為をするようになってしまう、というようなことです。

大人でも、何かのレッテルを貼られて、周りから色眼鏡で見られるというのは大きな苦痛です。

そしてレッテルを貼られることによって、“自分は〇〇である”と決めつけられたイメージを過剰に意識してしまいます。

思春期の青少年などは、ラベリングによって自我形成で自分を「不良」や「ダメ人間」に仕立て上げ、結局、レッテルどおりの「不良」になってしまうことが、少なからずあるのです。

同じようなことで、自分の容姿に自信のない女性は、自分はきれいではないし、きれいになれるはずもない、という思いが強く、おしゃれをしたり自分を磨くこともせず、結果、ますます「きれい」から遠ざかってしまいます。

ある学校での実験で、生徒たちをランダムに二分し、片方はできる生徒のグループ、もう片方はあまり期待できない生徒のグループであると教師たちに認識させ、その半年後、「できる」グループに属していた生徒たちの学力が伸びるという結果が出ました。

教師たちは無意識に、それぞれのグループのラベルに合わせた接し方をしていたと思われ、「期待できない」グループに属していた生徒たちは、自分たちに貼られたラベルを感じ取って、それが実際の学力にも影響してしまったようです。

この、ラベリングを逆手にとってみましょう。

簡単な例でいうと、「やさしいね。」という一言です。

私の知り合いのカップルの話なのですが、女性のほうが何かにつけて「やさしいね。」という言コトバを口にします。

男性が荷物を持ってくれたときなどに「やさしいね。」と言う女性は多いかもしれませんが、それだけではなくて、電話をしてくれた、ドアを押さえてくれた、駅まで見送ってくれた、食事するお店を決めてくれた、車に乗るときにドアを開けてくれた、などなど、ささいなことでも“やさしいな”と感じた瞬間に、それを意識的にコトバにしてみて下さい。大げさに言えば口癖にしてしまってもいいコトバだと思います。

要するに、男性に“やさしい人”というラベルを貼ってしまうのです。

具体的になにがどう“やさしい”のかよくわからなくても、とにかくこう言ってラベリングしてしまうと、男性には「オレは女性に優しくするオトコなんだ。」という意識ができてきます。

そしてそれを自らの長所として、さらに意識的にやさしい行動をとるようになります。

他にも「誠実ですね。」とか「行動力があるね。」、「頼りがいがあるね。」なども、同じようにラベリングしたいコトバです。

男性に、うっかり「ダメな人ね。」とか「頼りにならないわね。」と何度も言っていると、いつの間にかその男性はそのようなタイプになってしまいます。

浮気っぽい男性に「浮気癖のあるひどい男ね。」と言っていると、浮気を繰り返してしまったりするかもしれません。

ケンカをするときはたいてい相手の短所を挙げてけなしてしまうものですが、これはお互いにマイナスのラベルを貼り合っているようなものです。

「おまえはだいたい〇〇だ!」「あなただって△△じゃない!」と言い合っても、いいことはひとつもありません。

相手の自己概念を、マイナス方向に持っていくだけです。

それよりも、上手にラベルを貼って、相手の自己概念をプラスの方向に持っていくほうが、自分のためにも相手のためにもいいですよね。

私たちは心の中で、この人ってやさしいんだなと思っても、それをコトバにして相手に伝えることは意外としないものです。

でも、コトバにしなければ相手に伝わらないことはとても多いのです。

簡単なことです。

「やさしいね。」「包容力があるんだね。」と、ラベリングする習慣をつけてみましょう。

ほめるコトバが特に何も思い浮かばないときや、ほめコトバにつまってしまったときは、「陰で努力していそうだよね。」と言ってみてください。

これを言われてうれしかったという人が、意外と多いのです。

そしてこのコトバは、誰に対しても使うことができます。

考えてみれば、程度の差はあるでしょうけれど、誰でも何かしらどこかで努力していることがあるものです。

具体的にこちらから何に対して努力しているのかということにまで触れなくてもかまいません。

「努力していそうだよね。」と言うだけで、相手は、たとえ小さなことであっても自分なりに努力していることを頭に描くと思います。

“陰で”と付けることによって、それがあまり目立つことでなくてもOKなので、誰しもに当てはまることになります。男性は特に、“努力”というコトバが好きなようです。

「努力していそうだよね。」というコトバで、自分のことを理解してくれていると感激する人もいるでしょうし、自分の努力ポイントを語り始める人もいるでしょう。

この言葉でうれしくなって、さらに努力する人もいるかもしれませんし、こちらも話を聞いているうちに、今まで知らなかった相手のいい面を知ることができるかもしれません。

たとえば仕事の話をしているときなど、話の流れで「陰で努力しているんですね。」と言うのもいいですし、話の流れがそちらに向かなければ、「いまふと思ったんですけど、〇〇さんって陰で努力していそうですよね。」と話を振ってみるのもいいと思います。

もしも相手が努力ポイントについて語ってくれたなら、「ああ、やっぱり。」とか「さすがですね。」とリアクションしてあげてください。

ラベリングのひとつですが、「〇〇とか似合いそう。」というコトバも、ある意味ほめ言葉になります。

まったく似合いもしないものを言う必要はありませんが、イメージ的に当てはまりそうなもので、いいイメージのものであればいいのです。

「剣道とか柔道とかの武道系のスポーツが似合いそう。」「海が似合いそう。」「バンドとかやってそう。」「料理上手そう。」などなど、いずれも言われたら悪い気はしないものです。

ファッションにしても、たとえば「〇〇っぽいファッションが似合うよね。」と言われたら、そのときは「ほんとかよ。」と思っても、いつの間にかそれを意識してしまって、だんだんとそのイメージに近づいていったりします。

それをきっかけに、男性がおしゃれに気を使うようになるかもしれません。

これが似合うって言ったら相手が喜ぶだろうな、うれしいと思うだろうな、というラベリングを、どんどんしてあげてください。

それがきっかけとなって、相手が自分の長所や強みなどに目覚めて努力することもあるかもしれません。

大げさに言えば、あなたの想像力が生んだコトバが、男性を変えることがあるかもしれません。

自分の長所は、自分ではあまりわかっていない場合が結構多いものです。

長所を指摘して言ってもらえると、誰でもうれしい気がすると思います。

そしてそれが異性であれば、なおのことで、自分のことを理解してくれている、わかってくれている、こんな女性にそばにいてほしい、などという思いが出てくることもあるでしょう。

また、たとえば、あなたのほうから誰かにほめコトバをかけたときでも、ほめ返されたらうれしい気がするのではないでしょうか。

「〇〇さんって、やさしいよね。」と言ったときに、「そんなふうに言ってくれるのは君だけだよ。ありがとう。」などと返されたらうれしいですよね。

なんでもかんでもほめてしまうとわざとらしいかもしれませんが、自分のことを何かほめてもらったとき、何かいいことを言ってくれたときなどに、「そういうことを言ってくれるのがいいところだよね。」と、すかさず返してみましょう。

ほんのささいなことなのですが、むしろささいなことだから、気づいてもらえることがうれしくなるのです。

コトバだけではなくて、行動に対しても同じです。

「いつも〇〇してくれているのが、あなたのいいところだよね。」という、相手の長所を指摘してコトバにすること、これもひとつのラベリングといえるでしょう。

「いいところだよね。」の同義語で「いつも〇〇してくれてるよね。」というのも同様に使えます。受け取る側としては、同じ意味合いとして伝わります。

「いつも私の前で、笑顔でいてくれてるよね。」などというコトバは、男性にとっても女性にとっても、言われたらうれしいコトバだと思います。

この「いいところですよね。」を、さらに強調して言う場合は、「だって〇〇さんって、すごい△△じゃないですか。」のような言い方をすることができます。

「だって、〇〇さんって、すごいやさしいじゃないですか。」とか「だって、ほんとうはすごい思いやりがあるじゃないですか。」「〇〇さんって、面白い話とか、すごい上手いじゃないですか。」のように使って、良いイメージのラベルを貼ってあげましょう。

男性は、子どもの頃から図鑑を見たり切手やカードなど、ものを集めるのが好きだったりします。

ある意味、一種の“おたく”であるともいえます。

女性とは異なるもので、これは男性の脳の構造がそうなっているのかもしれません。

男性は“こだわり”が好きなのです。

そして“こだわりがあるオレ”が大好きです。

靴や時計などにこだわる人は少なくありませんが、スーツにこだわったり、ワインにこだわったり、模型やガンダムにこだわる人もいます。

靴にこだわる人は、靴クリーム選びにさえこだわりを持ち、週末は靴の手入れに没頭することさえあります。

ワイシャツにこだわる人は、生地から形状、アイロンのかけ方にさえこだわります。

オトコの美学である“こだわり”は、おしゃれとはちょっとニュアンスがちがいます。

おしゃれは女のすることであるけれど、こだわりというのは、男らしくてかっこいいものである、と思っています。

こだわりのある自分が好きであるのと同時に、こだわっていることそのものを楽しんでいます。

ですから、その“こだわり”を認めてもらえることはとてもうれしいことなのです。

こだわりというのは高価なものということではありません。

もちろん高価なものであることも多いのですが、安いなりにもこだわりがあることもあります。

場合によっては、パッと見た感じが変なものや、センスを疑うようなものもあるかもしれませんが、そういうものほど意外と“こだわっているモノ”であったりしますから、そこを見逃さないで、たとえば、男性のはめている時計がいかにもこだわっていそうなものだったら、「その時計どこで買ったんですか?」「時計にこだわりのある人って素敵ですよね。」などとほめてあげましょう。

あるいは“こだわり”を認めてあげて、語らせてあげましょう。

男性は自分の“こだわり論”を語らせてあげたら、嬉々として議論を展開するでしょう。

いずれにしても、「こだわりがあるんだね。」というコトバは男性をウレシイ気分にさせることはまちがいありません。

また、男性には、厳しさは愛情の裏返しである、というこだわりを持つ人も多いものです。

厳しさのなかにこそやさしさがある、愛情があるからこそ、心を鬼にしてわざと厳しく叱ったりする、という持論を持っているのです。

叱られ上手な女性は、叱られたり注意されたりしたときに、その“こだわり”をわかっているということをうまく相手に伝えることができる人です。

「あなたの厳しさは、ほんとうは愛情の裏返しなんだよね。」というコトバは、心を鬼にして厳しく接する男性の心にグッときます。

男性は内心では、厳しくして嫌われたらどうしようとビクビクしていますから、自分の真意がわかってくれている、と思うとうれしくなってしまうのです。

そして、“愛があるからこその厳しさを示せるかっこいいオレ”、という自分に酔ってしまったりするのです。

「私のためを思って厳しく言ってくれているんだよね。」「ほんとうはやさしいから言ってくれているんだよね。」と言うことによって、“厳しいけれどほんとうはやさしい人”というラベルを貼ってあげましょう。

男性を誘導するコトバ、というのもあります。

誕生日やクリスマスなどでプレゼントをもらう機会があるときに、ほしいものをもらえるようにするコトバ、食事をするときに行きたい店に連れて行ってもらえるようにするコトバ、です。

男性に、何か要望をきかれたときに、まずは「〇〇さんの選ぶものだったらなんでもうれしいよ。」という返事をしてください。「誕生日に何かほしいものある?」「〇〇さんが選んでくれるものならなんでもうれしいよ。」、「クリスマスにどこかで食事しようよ、行きたい店とかある?」「〇〇君と一緒に食べるんだったらなんでもおいしいよ。」と、即座に返します。

そして、ほんの少し、2~ 3秒くらい考えたふりをして、「でも、あえて言うなら、ブレスレットとかうれしいかも。」とか「本格的なイタリアンとか興味あるかも。」のように続けます。

欲しい物や行きたいところをいきなり要求するのではなく、まず、相手の男性を“信頼している”というニュアンスのメッセージを、枕詞のようにつけるのです。

この「〇〇さんの選ぶものだったらなんでもうれしいよ。」というコトバ、さりげないひと言なのですが、このコトバで謙虚な女性だという印象を与えることができ、さらに信頼されているという喜びも相手に与えることができます。

かといって、なにをプレゼントしようかというのはなかなか選択に困るもの。

ですから、一瞬の間をおいて、あなたの欲しい物をおねだりしてみましょう。

結論的には、これが欲しいと指定しているのですが、このテクニックを使うことで、相手に与える印象は全くちがったものになるはずです。

男性を誘導するコトバでも、こちらの希望をかなえるための誘導ではなくて、相手が落ち込んでいるときや悩んでいるときなどにかけてあげて、気分をプラスの方向に誘導するコトバも覚えておいてください。

よほど深刻な場合やうつ病気味の場合には安易に使用するのは控えたほうがいいのですが、ちょっと落ち込んでいる、テンションが下がっている、勇気が少し萎えている、というようなときに“あなたなら大丈夫”というようなコトバひとつで、男性は意外と勇気づけられるものです。

「〇〇さんなら大丈夫ですよ。」と言われることで、やる気や勇気が出てきたりするのです。

“あなたなら大丈夫”というラベリングのひとつですね。

“大丈夫ラベル”を貼ることで、こんなことでへこんでいられないオレ、という意識が生まれてきます。

ときどき、根拠のない慰めを言うなと怒り出す人もいるかもしれないので、最初から「正直根拠はないんですけど、〇〇さんなら大丈夫ですよ。」と言いきるか、「大丈夫ですよ。」と併用して「だって〇〇さんって、陰で努力してる人じゃないですか。」とか「人望があるから、みんなわかってくれてますよ。」などと具体的な根拠を挙げるのが、さらに望ましいでしょう。

「私、応援してますから。」とか「私にお手伝いできることがあったらなんでも言ってくださいね。」のようなフレーズをつけるのもいいでしょう。

相手の落ち込んだ気持ちに寄り添って、応援する、勇気づけるコトバをかけてあげてください。

ただし、積極的なアドバイスや説教めいたコトバは逆効果です。

男性というのは、やはりプライドがありますから、欲しいのは同情ではなくて応援であり、説教やアドバイスではなくて、モチベーションを上げるコトバや態度なのです。

「こうすればいいじゃない。」とか「あなたはそういうとこがダメなのよね。しかたないよね。」などとは決して言ってはいけません。

仕事でつまづいたりして勇気が萎えてしまったときなどに、「大丈夫ですよ。」「応援してますよ。」というコトバを女性からかけてもらえると、「ガンバロウ。」と元気が出ます。

プライドの生き物である男性にとって、“励まし”と “慰め”とはちがうということを覚えておいてください。

落ち込んでいる理由が人間関係である場合には、また別のフレーズがあります。

「誤解されやすいのかもしれませんね。」というコトバをかけてみてあげてください。

このコトバは、私はあなたのいいところをちゃんとわかってるよ、というアピールにもなります。

実際、男性は女性にくらべると表現下手ですし、口下手な人も多いので、誤解されやすいことも少なくないかもしれません。

ここで注意すべきことは、このコトバの後に、具体的に“誤解されやすい”根拠であるマイナスの要因を挙げてはいけません。

「誤解されやすいのかもしれませんね。だってほら、〇〇さんって顔が怖いじゃないですか。」などが悪い例です。

たとえ「オレのどういうところが誤解されやすいと思う?」とたずねられても、曖昧にごまかすか、「やさしすぎるのかもね。」とか「周りに気を使いすぎるんじゃない?」という程度にしておきましょう。

また、男性は、「信じています。」というコトバに結構弱いものです。

“信頼されているオレ”というのは、オトコの美学のひとつです。

アニメや映画のヒーローは、自分を信じてくれる者のために命を賭けて戦いますが、子どもの頃からこの美学が男性の中では育まれているのです。

ですから逆に、信頼を裏切る、裏切り者というのは、最低のオトコ、という意識もあります。

「信じています。」は、ラベリングの中でも、他のコトバよりちょっと強力なニュアンスがあるかもしれません。

このコトバは、たとえば浮気を防止したいときなどに使うのが効果的です。

「浮気なんかしないでよ。したら絶対許さないわよ。」と言うよりも、「あなたは浮気するような人じゃないものね、私信じてるよ。」と言うほうが、浮気防止力は断然高いでしょう。

信じてる、と言われるとなかなか浮気できないものですし、仮に浮気をしたとしても罪悪感がとても大きくなるはずです。

二重のラベリングで「〇〇さんって誠実さを忘れない人ですよね、信じてます。」「私のためを思ってやってくれているんですものね、信じてます。」などの言い方は、通常よりもさらに強くダメ押しする言い方になります。

こうしてほしい、ああしてほしいと直接要求するよりも、ずっと強力に相手を縛ります。

男性としては、「信じてます。」がついてしまうと、軽く流そうと思っていても、流しにくくなります。

ただし、あまりにもこのコトバを使うと、ちょっと怖すぎて相手が逃げ出すかもしれませんので、賢く使ってください。

男性は、誰しも多かれ少なかれこだわりやプライドを持っています。

そして自分の主張やこだわりについてのうんちくや自慢話を語ることが好きです。

このような話になるとたいていの場合は演説になってしまって会話のキャッチボールは成り立ちません。

聞いている相手が、実は聞いていなくても、とてもたいくつしていても、お構いなしにとうとうと語り続けます。

男性の一方的な演説が始まった場合、えんえんとまじめに聞き続けていると、あなたのメンタルヘルスに支障をきたす可能性があります。

このようなときは、男性の“オレ論”にバカ正直につき合い続ける必要はありません。

彼の演説は、草原の風、あるいはバックミュージック、くらいの意識でさらりと流しておきましょう。

あなたが聞いていようと聞いていまいと、自分の語りに酔っている男性は気がつかないかもしれません。

あなたは別のことを考えながら、あるいは自分のペースで食事を楽しみながら、ときたま「へぇー。」「そうなんですか。」と相づちを入れてあげるといいでしょう。

そして最後に「〇〇さんって、自分をしっかり持ってるんですね。」と締めくくることで、お互いに嫌な思いをすることなく、演説会を終えることができます。

男性の話を聞いてあげることももちろん大切なのですが、そのことにストレスを感じるくらいなら、さらりと聞き流しておいて、最後に「自分をしっかり持ってるんですね。」と付け加えてあげましょう。

’’自分をしっかり持っているオレ’’ということで、男性も喜んでくれるはずです。

女性から見た理想の男性像というのは、それぞれあるかと思いますが、男性が理想とする男性像というのもあります。

自分がそこからどれだけかけ離れているかということは、ここでは関係なく、男性が憧れる理想のオトコ、多くの男性は、『島耕作』がその憧れの対象になっていることでしょう。

仕事は一生懸命やり、汚いことはしない。

ガツガツしていない。

普通のサラリーマンのはずなのに、場合によってはヤクザの事務所に乗り込んでいくような男気もあり、やるときはやる。

周りの女性たちはみんな島耕作に好意を持って、スマートに口説かれてしまう。

それでいて、ゴタゴタもなく、きちんと責任を取ってきれいに別れることができる…まさしく、オトコの憧れです。

そこのツボをついてみましょう。

単純に「島耕作に似てますね。」「島耕作みたいですね。」と言えば、ほとんどの男性は喜びます。

世代的には、30歳代から40歳代くらいだと思いますが、若い男性でも「将来は島耕作みたいになりそうだね。」なんて言われたら、悪い気はしないでしょう。

ただし、言い方のコツとして、その理由は適当にボカすこと。

「似てますね。」と言って、「なんで?」「どこが?」と聞かれたら、「いや、なぜかよくわからないけど。」「なぜだろう?」「なんか雰囲気が似てますよね。」ととぼけてください。

それ以上に追求する男性はおそらくおらず、それぞれが自分の中で、自分が島耕作に似ているところを思い浮かべて勝手に納得してくれるでしょう。

特に思い浮かばなくとも、見る人は見るんだよな、わかるヤツにはわかるんだよな、と思ってくれるでしょう。

もう少し年配の世代であれば、『諸葛孔明』もスタンダードです。

『三国志』はオトコの領域だとする男性は少なくないと思いますが、ちょっと知的なことを言ったり、いい意見を言ったりした年配の男性に対して、「諸葛孔明みたいですね。」とか「〇〇部長って、孔明タイプですよね。」というのは、ある意味殺し文句です。

これを言われてうれしくない男性はいないでしょう。

もしかしてお世辞かな、と思ったとしても、ちょっとニヤけてしまうと思います。

男性に対して、「〇〇に似てますね。」「〇〇みたいですよね。」などと、人物に例えて言うときは、島耕作や諸葛孔明のように誰も実物を見ていないキャラクターが有効です。

共通項がそれほどない場合であっても、言われた側が自分本位に解釈することができるからです。

歴史上の人物にたとえる場合は、たとえば織田信長や豊富秀吉、徳川家康などは人によって好みが分かれるので、誰もが喜ぶとは限りませんが、坂本竜馬や武田信玄あたりなら、大丈夫だと思います。

このコトバで男性が喜び、それによって周りの人にもやさしくなることもあるのですから、似ている部分がそれほどあるわけではなくとも、罪にはならないでしょう。


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