国立社会保障・人口問題研究所による「結婚相手と出会った場所、きっかけは」という、2005年度の調査によると、「職場や仕事で」と答えた人は全体の29.9%で第2位でした。
第1位の「友人・兄弟・姉妹を通じて」は30.9%ですから、僅差です。
やはり職場の付き合いというのは、恋愛関係に発展する率が高いようです。
実際、心理学的に見ても理屈に合った話で、「単純接触の原理」といい、元々人間は何度も顔を合わせていると、相手への好意が高まる傾向があります。
毎日顔を合わせている職場の仲間同士はそれだけ好意を持ちやすく、恋愛感情に発展するケースも多いわけです。
また、恋人同士に対する別の調査では、職場や学校など日々70m以内で接している相手とカップルになったケースが最も多かったという話もあります。
これは、「単純接触の原理」の他に、距離の近い相手とは親切にしたり、何かの折に手助けしてもらったりなどの“心理的報酬”が得やすく、それに伴って好意が大きくなっていく可能性が高いためです。
例えば、職場でトラブルが発生した時、すぐ隣の席にいる同僚と遠い席にいる同僚のどちらに助けを求めるかといいますと、親しさの度合いが同じならやはり隣の同僚に相談するのが自然でしょう。
そんなわけで、日々顔を突き合わせ、気軽に助け合うような近しい関係というのが最も恋愛関係になりやすい、という結論ですが、さらにダメ上司や意地悪上司、横暴な上司などの下で働く者同士がくっつく率が高いそうです。
これは、同じ苦労を強いられていることから共感することが多くなるためです。
共通のストレスは結びつきをより強くするのです。
もし、自分の部下同士でカップル成立することが妙に多いと思ったら、今一度自分の言動を振り返り、反省した方がいいかもしれません。